Chart book Cyber Press  by投資レーダー


第21回  IR(インベスター・リレーションズ)

<98/11/20>

 サッカーJリーグでは「入れ替え戦」が白熱しています。「負ければ2部」という危機感がプレーに執念と粘りを与えているのは言うまでもないでしょう。
 口でいくら言ってもそんな危機感が微塵も感じられないのが、政治家や官僚、規制や族議員に守られた大企業などですね。今回はその反対に、危機感を持ってちゃんとやるべきことをやろうとしている企業、「IR(インベスター・リレーションズ)活動」の話です。
 企業が株主や投資家に対して経営情報を継続的に、円滑に提供していこうとするIR(インベスター・リレーションズ)活動は、企業戦略の要となるものです。株式公開企業にとって、IRは義務とも言えます(日本インベスター・リレーションズ協議会)。
 IR活動の普及や啓蒙活動を通し、健全な資本市場の育成を図ることを目的とした日本インベスター・リレーションズ協議会のホームページを訪れると、上記のような一文があります。公開企業として当たり前の情報開示を行い、より株主や投資家に自社を理解してもらおうという思想は、双方にメリットがあり欠かすことのできないものです。
 まだまだ、日本のIR活動自体が充分満足のいくものとは思えませんが、少なくとも努力しようとしている企業は着実に増えていっていると見てよさそうです。ここで大事なことは、投資家がそれを正当に評価してあげること。情報開示をきちんと行っている企業は評価し、そうじゃない企業の株は買わない。すべては投資家自身に跳ね返ってきます。まともな株式市場になるにはあと何年かかるのかわかりませんが、企業も投資家も地道に努力していくほかありません。

FROM かぶこーネット

「IR優良企業表彰制度」
第1回(96年度)受賞企業…サガミチェーン、ソニー、JR東日本、日立、ホギメディカル
第2回(97年度)受賞企業…イトーヨーカ堂、住友電工、富士通、フジミインコーポレーテッド、本田技研
第3回(98年度)受賞企業…オリックス、北九州コカ、武田薬品、トヨタ自動車

「IR関連ホームページ」
日本インベスター・リレーションズ協議会(JIRA)
日本証券業協会(店頭登録企業の決算短信など情報開示システム)
決算データサービス(日経新聞)
日本格付け投資情報センター(R&I)
証券広報センター
上場登録企業HPリンク集
IR向上委員会


第22回  急がば回れ!〜投信の普及

<98/11/27>

 日経平均は10月初旬の1万2000円台から1万5000円台へと堅調な歩みとなりました。中身はともかく、さまざまな政府の対策や企業の再建策がそれなりに評価された結果と言えるでしょう。目先、スピード調整があるかもしれませんが、当面は「下よりも上」を意識した展開が期待できそうです。
 タイミングがよいのか悪いのか、ちょうどボーナス時期の到来。各金融機関は、かき入れ時とばかりに虎視眈々と資金獲得を狙っています。特に12月からは、投資信託の銀行での窓口販売(銀行窓販)が解禁となるなど、「投信が主役」となりそうです。
 「キャッシュカードのように誰もが投信を持ってるのが当たり前」となるべきだ、というのが以前からの持論です。投信の純資産残高は約44兆円、個人金融資産に占める割合はせいぜい3%前後でしょう。米国は約30%ですから約10倍の開きがあります。せめて10%、120兆円程度はあって然るべきじゃないでしょうか。
 ただし、これまでのようにノルマ販売、押し売り、手数料稼ぎ、情報不足、不便…、などと投資家に欠点を指摘されたままの状態ではダメです。そんなものなら、いっそのこと0%で結構。売る側も買う側も「いくら儲かるのか」にばかり目がいってしまいがちですが、それではいつまでたっても10%には遠く及ばず、両者にとって不幸な状態が続くことになります。
 「急がば回れ!」金融機関も投資家も目先の利益のみならず、信頼できる商品を作り、ディスクロージャーをしっかり行い、公明正大な販売を行う、利回りばかりに注目せず、しっかりと選別して購入する。
 みんなが当たり前のことをきちんとやっていけば、パイも拡大するし、よいものが提供されます。もうぼちぼち、大人になってもよい頃じゃないでしょうか。

FROM かぶこーネット

「NHKスペシャル」
 先日から、NHKスペシャルで全4回の金融特集が始まりました。ご覧になった方も多いかと思います。第1回は『The education of a speculator』の著者でもあるVictor Niederhoffer氏をメインにしての話でした。
 この中でジョージ・ソロス氏の言葉が印象的でした。
「私が他の投資家と違うところは、間違いを間違いと気づき、すぐにその間違いを修正できることだ」
 皆さん、ソロス氏になるのは以外と簡単? それとも想像以上に難しいですか?(^-^)


第23回  好循環の一歩手前!?

<98/12/4>

 先週触れた「投信窓販」、日経新聞でも「投信大競争」の特集が始まっています。これを見ると、多少の変化はあるかもしれないが、根本的なものは変わらないかもと思わずにいられませんね。売る側、買う側双方に意識改革が必要です。
 さて、今週は一連の投信大競争が相場にどう影響するかです。
 都銀、信金、生保…、色んなところが色んな手を使って資金を集めようとしている。生保レディが投信のパンフレットを持ってやってくるかも。この影響はバカにできません。低迷が続くとはいえ運用競争も高まるわけで、他にさしたる運用先もない状況ですから、当然のことながら株式市場にも資金が流入されることとなるでしょう。
 これまで、持ち合い解消などでマイナス要因が先行していた需給に、売り先行だった投信が買い越しとなれば好影響を与えることが予想されます。
 加えて、いつも「もっとがんばれ」とは書いてるものの、外資の参入などもあって着実によい方向には向かっているし、一連の金融ビッグバンに関する報道はさまざまなメディアを賑わし、将来に危機感を感じ始めている人も増えているでしょう。それが「投信やってみるか」という雰囲気をかなり醸し出し始めていると思われます。
 さらに、巧拙はともかく国を挙げての景気回復路線。ちょっと相場が好転し「投信で儲かった」なんて話が出始めたら、さらに資金が集まるはず。その頃には別の業界からの参入や、もっと便利な仕組みができてるかも。
 実はちょっとしたきっかけで好循環が始まる素地を、今の相場は持ってるのではないでしょうか。楽観視シナリオですが、今ならまだ賭けてみる余地はあるでしょう。あとで投信に上値を買ってもらえばいいんですから(^-^)。知恵と努力と決断を!

FROM かぶこーネット

「米国草の根市場主義」
「米国草の根市場主義〜スモールプレーヤーが生むダイナミズム/実哲也/日本経済新聞社」。
 クールな市場経済一辺倒として捉えられがちな米国社会ですが、新陳代謝や敗者復活の仕組みもある草の根から機能している社会であることを紹介。今の日本にもっとも欠けていて、またもっとも必要なものが見えてきます。腐りきった社会や組織の再編より、既得権益の保護と延命を優先することが如何に愚かで恐ろしいことかがわかるでしょう。借金棒引きで延命した大企業が、業界をよくするわけがない! 政治家・官僚・諸団体・大企業、必見の書だ!
 同時に、ベンチャー魂溢れる起業家にもお勧めしたい。


第24回  株価と著作権

<98/12/11>

 デジタル化とハードの進歩で音楽業界などが著作権の保護に懸命です。作者らの権利を違法コピーで侵害される不利益は当然保護されてしかるべきでしょう。
 ところでみなさん、皆さんが毎日ニラメッコしている株価、この株価に著作権はあると思いますか? 答えは…実は私もよくわかりません?? 正確には「ないと思うんだけど、あるような状態」です。何のことかわかりませんね(^_^;。
 株価の場合、音楽で言う作者に近い存在は、公開企業や実際に売買している投資家であると思うのですが、実際には取引所がその権利を有するような形で提供しています。これは同じように音楽で言えば、録音スタジオが「録音させてやったんだからその権利はわれわれにある」と言ってるようなもので、何か変ですよね。
 取引所は株価情報の発信源だから、その管理者という立場まではわかりますが、「著作権所有者」とまで言うのは?? そのような判例があるようでもなく、どうやら法的には「灰色領域」らしい。
 現実には、高い料金を支払った特定の業者のみに株価情報は提供され、インターネットなどにおいても「20分遅れ表示」「同時表示銘柄数制限」などさまざまな条件が課せられています。いろいろな理由があるのでしょうが、これは投資家にとって必ずしも有益とは思えません。新規参入障壁となり、ひいては投資家層拡大の阻害になっているかもしれません。
 誰のためのビッグバンでしょうか? 既得権益にしがみつく業界を守るためのものなのでしょうか? 市場に対する理解や発展を願う気持ちは、業界にはないのでしょうか? 自由競争の末に発展する市場経済への脱皮が急務なのに…。
 フリー・フェア・グローバルに、株価情報の提供をお願いしたい。
 実はこういう部分の改善が、金融ビッグバンにとって一番大事なところなんです。与えられるビッグバンにほとんど意味はありません。


第25回  記憶よりも記録

<98/12/18>

 今年も残すところあとわずかとなりました。あらためてチャートを眺めてみると、相場の弱さが嫌と言うほどわかりますね。皆さんは上手く対処できましたでしょうか?
 意外と自分の投資行動を振り返って検証し、今後の投資に活かすということを実行していない方が多いようですね。売買の結果を数字で把握するのはもちろんですが、ぜひお勧めしたいのが、「どういう状況で、どういうことがあって、どう考えて売買したか」もメモしておくことです。
 「12/18、○○株、1000株 買い」これだけでは、なぜこの株を買ったのかが記憶を頼りにしてしか把握できません。人間の記憶というのは曖昧な上に、勝手に自分の都合良いように変えてしまうことがあります(^-^)。のちにその株の対処を考える際、買った時点での自分の考えた内容の記録が残っていると、それはプロのアドバイス以上の価値があります。さまざまな状況が変わり、当初の考えとは違った対処が必要だと考えたならば、それもきちんと記録しておけば、あとから振り返って「どちらの方が良かったか?」が統計として把握できます。
 他にもメリットは沢山あります。「薦められたから」とか「衝動的に」ということがメモをつけることで防げる。「ナンピンすべきか?売却すべきか?」などと悩んだときに、「過去の自分」が今の自分のアドバイザーとなるのですから、しっかり考えたり調査する癖がつく。自分の銘柄や相場に対する見通しの変遷が把握できる。自分の投資癖がメモでハッキリと把握できるので、薄々わかってはいるんだけど直せない癖も直せる(かもしれない(^_^;)。などなど・・・。
 スポーツ選手などが「記録よりも記憶に残る選手になりたい」と言うことがありますが、こと投資に関してはその逆に「記憶よりも記録」を残していきましょう。
 本年最後の分析対象として、ぜひご自分自身を分析してみて下さい。ほら、データがない人は自分の分析すら正確にはできないでしょ?来年も記憶を頼りにした勘ピューターでいきますか?それで成功している人はともかく、成功していないのならご一考を!


第26回  怒りと希望のクリスマス

<98/12/25>

 今年のクリスマスはケーキがよく売れたそうですね。リッチに外食する余裕はないから、せめて家庭で暖かな手料理とケーキとプレゼントでということでしょう。我が家もご多分に漏れず、私の絶品高菜チャーハンとケーキでイブを過ごしました(^-^)。
 さて、長引く不況は人々に工夫と考える癖を身につけさせてくれました。サイズの合わなくなった服を脱いで、来年はもっと適した服に着替えることになるでしょうね。
 ところが、いつまで経ってもなかなか衣替えが進まないのがこの業界。野村アセットの含み損を抱えた投信を自社で購入した件など、いまだにルール無視の体裁優先という姿勢が改善されていない証以外の何ものでもない! 業務改善命令なんて生温いこと言ってないで『失格』としなきゃウソです。もちろん、それは金融監督庁が行うのではなく、投資家が行うべきことであります。そうじゃないとせっかく衣替えで履き替えたたった一足の靴下でさえも、また履き直してしまうことになります。生温い投資家自身が自らの首を絞めることにもなるのですから。「自己責任を言うならルールを守れ! 守らない奴は相手にしない!」と言ってやりましょう。
 ちょっと腹立ったニュースでしたが、昨日はこんな嬉しいメールも頂きました。
◆ホームページをご覧になった主婦の方より
 「かぶこーネットをきっかけに金融経済に興味を持つようになり、今では高校生の息子と経済記事について話をするようになりました。学校では学べない社会への目を、ホームページから母親経由で伝わっています」
 思わず涙が出そうになるぐらい嬉しかったクリスマスプレゼントでした。こんなメールに支えられて、来年も負けずにがんばるゾ!となるんですよね。ちなみに私は、本日これまで勤めていた会社を辞め、新年よりさらなるかぶこー活動実践のために転職することにしました。
 そんなこんなで、ご愛読有り難うございました。このコラムは来年も続きますので、懲りずに読んでやって下さい(^-^)。投資家の皆さんも相場の荒波に流されることなく、新年をよりよい一年とするためにがんばっていきましょうね! それでは、良いお年を!


第27回

<99/1/14>

 あけましておめでとうございます、当コラム今年最初の執筆です、今年もよろしくお願いします。
今年は手数料の自由化やオンライントレードの本格化など、相場以外の部分でも注目されることが多々あります。もちろん、日本のさまざまな投資環境の改善や投資家および業界のレベルアップ、その辺りも含めてバンバン本音で書いていきたいと思っています。書きすぎて「連載終了」となったらあしからずということで(^_^;。
 さて、これっぽっちも信じてませんが今年は予言の年であります。何か予想外のことが起こるんじゃないかという気がしないでもないですよね。もしかしたら「地球滅亡」という意識が、不況で陰り続けている消費に火をつける可能性も!。世紀末という意識がヤケッパチ消費を引き起こしたりしないかな?(^_^;。
 職を失ったり収入の減った結婚適齢期の男女が、これまでのように独身を謳歌できなくなり、一気に結婚に走るかもしれません。安室ちゃんの出産からの復帰もあるし、世紀末の意識が「子孫を残さねば」という意識に働きかけ、ベビーブームも考えられます。
 悪いことばかりが注目を集めてしまいますが、ぼちぼちマイナスの反作用でプラスの効果が現れてもよい頃です。暗くなっていても仕方がないですから、何事もよいように考えていきましょうね。
 投資においても同様で、前向きに知恵を絞れば「今年ほど儲けるチャンスが転がっている年はない」と感じられるでしょう。日経平均や多くの大企業の株価は低迷を続けていますが、反対に店頭株など新しい時代に即応したアグレッシブな企業は目覚ましい勢いで株価も上昇しています。このダイナミズムを資産運用にも取り入れない手はありません。「低成長やむなし」という状況なら、それに応じた手を打つのは当然のことです。極端になりすぎないよう注意して、バランスのよい資産運用を心がけましょう。


第28回  手数料自由化

<99/1/22>

 1月21日付日経新聞朝刊に「株式手数料を最大7割引」という記事が出ていました。投資家にとって、これまでよりコストが削減されるというのは投資収益に直結することであり、ようやく金融ビッグバンを実感できることになります。もっとも、「手数料自由化」の折りにこれまでの手数料からの何%引きというのは、さして意味を持つものではなく、単なる「わかりやすさ」でしかありません。約定代金がいくらであろうと1回の売買につきいくらとか、貴方の手数料率はこう、別の方の手数料率はこちらとか、年間いくら払えば何回でも売買OKとか、成り行き注文なら更に割り引きとか、いくらでも自由な形態が取れるはずなのです。
 こうなって初めて、より投資家本意の状況が手数料に関しては実現されたと言うことができるでしょう。すでにさまざまなテクノロジーの進化が、その程度のことは容易に実現可能としてくれていることは言うまでもありません。しかし、その記事の横に日本証券業協会会長の記者会見のコメントを伝える記事が掲載されているのですが、手数料の自由化について「10月か12月という声は出ているが、証券業界内の意見集約はこれから」「各社の経営に大きな影響を与え、システム構築に時間もかかる」という相変わらずの『横並び村社会』的発言でしかありません。
 いつも言っていることですが、金融ビッグバンといっても「できるならこれまで通り仲良くやっていきたいのに、世間がやれやれと五月蠅いから仕方なくやるわけで、その際には、我々既得権益者の利益をできるだけ失わないようにしたい。ビッグバンの最重要課題は我々自身の生き残りだけである」というものでしかありません。「長期にわたる市場低迷を鑑みて、投資家の参入を促すような市場発展に繋がる仕組みを早急に構築しなければならない。それこそがビッグバンの意義であり、また我々自身の発展にも繋がる」などという発想は欠片もないのでしょう。もし、後者の発想の比重が高いなら「一刻も早く手数料を自由化し、投資家の参入を促したい。対応できる企業から順次対応していけばよい」というようなことを言ってもよさそうなものですが、死んでも出てくることはないと断言してもよいぐらいですね(笑)。笑い事じゃありません、もし『横並び村社会』的言動が続くようであれば(すなわち10月に実行されなければ)、投資家として断固『NO!』と言わなければなりません。『横並び村社会』で投資家の利益が損なわれても大いに結構という方なら別ですが、それはおかしい腹が立つという方は、『NO!』と言わなければならないのです。言わずにそれを結果的に許すということは、これまでと同じく自業自得ですゾ!


第29回  ソフトバンクのIRページ

<99/1/29>

 過去49年間の1月の相場は「37勝12敗」だそうですが、どうやら38勝目となりそうですね。例の“お告げ”では1月は「強地合」で当たりましたね(^-^)。ちなみに来月は「27勝22敗」で「上伸」だそうです。
 さて今週は、株がドンドン上がるためにも、銘柄選別をする際にも重要なお話で、よいことをしている企業にはよいと言ってあげて、やってない企業には「なぜやってないんだ?」と突き上げていただくためにも、ぜひ皆さんにご紹介したいことです。
 ソフトバンクが「インベスター・リレーションズのページ」を開設しました。「インベスター・リレーションズ(“IR アイアール”と略して呼ばれる)」とは、企業が投資家や株主に対して投資の参考となる重要な情報を、適宜公開・提供する活動のことで、投資判断の参考となる活動のことです。企業はIR活動を通じて、より多くの投資家や株主に自社のことを知ってもらったり、交流を持つことによって継続的な友好関係を保ち、より適正な評価を受けることができます。このソフトバンクのIRページには、「決算情報」「アニュアル・レポート」「投資有価証券詳細」「参考資料」「ご質問・ご意見」などのメニューがあります。初めのページにはソフトバンクの保有している投資有価証券(上場・公開企業のみ)の時価総額とソフトバンクの時価総額がグラフで表示され、状況が一目でわかります。しかも毎朝直近の時価や為替で更新されていて、年に何回かだけ「IRやりました」というような建前のものではなく、本当に投資家や株主にとって参考となるものであり、ちゃんとIR活動を考えているということがわかるでしょう(完璧とは言えないかもしれませんが、充分評価に値するでしょう)。
 IRで重要なことの一つに「ディスクロージャー(情報開示)」がありますが、これは昨今言われることの多くなった「自己責任」を投資家が全うするために必要な情報を、素早く提供しなくてはいけないということです。これなくして、自己責任もへったくれもありません。自己責任のある賢明な投資家は、情報開示が乏しくIR活動を重視しない企業に投資などするはずがありません。こういうのはちょっと調べればわかることですから是非やっていただきたいのですが、もう一つお薦めする判断方法があります。それは貴方が株主だったり、これから投資しようと思ってる企業に、四季報ででも調べて直接「株主なんだけど、ちょっと聞きたいことがある」と電話してみることです。回答はもとより、対応の仕方などとても参考になるはずですよ。
 「そんなもん関係あるかい」と思われる方もきっといるでしょう。そういうお馬鹿さんが大勢を占めている限り日本は救われませんが、もしみんながIRをチェックして投資を考えるようになりみんなが電話したりすれば、本当にいい企業が買われ悪い企業は売られ、悪い企業は悔い改めて行くでしょう(そうじゃないのは滅ぶだけ)。中長期投資を考える場合、IRを一つの基準に持って報われないということはないと私は思います。是非、皆さんもそう思って下さい、そうするとそうなりますから(^-^)。


第30回  株買い取り機関構想

<99/2/5>

 企業の株式持ち合い解消の受け皿として、「株買い取り機関構想」が浮上してきました。自民党の「金融再生トータルプラン推進特別調査会」が制度の検討に入り、経団連、大和総研も独自の構想を発表しています。買い取り機構が持ち合い解消株を吸収することにより、現実的に需給がよくなるだけでなく、心理面に与える好影響もあるでしょう。それが株式市場の好転に繋がり、景気回復のプラスになるかもしれません。とにかく目先の市場回復、景気回復を考えれば、意味のある構想ということができるでしょう。
 一方、小沢自由党党首は「経済再生に向けた一貫した考え方と見通しに立って、経済の具体策を論じるべきだ」と述べ、買い取り機関構想について「そういう機関を設置すればよりよい結果を生むかもしれないが、株価が上がらないから国のカネで買い取るという発想は、思いつきのやり方で賛成できない」と反対の意見を述べています。確かに、場当たり的な対策という感は拭えませんが、2002年3月からの時価評価移行に伴う準備でもあり、株価を上げるためというだけではありません。せっかくの「自自連立」ですから、場当たり的な対策で終わらせないように期待したいです。
 本来、持ち合い解消の受け皿となるべき投資家の育成を怠ってきたツケが、このような機関が求められる元となっています。機関を設立するならそれと同時に、株式投資が投資するに値するものにしていくこと、投資家の育成、金融機関のレベルアップ、それらに伴う規制緩和や促進制度の整備、などが必須です。つまり、骨折した箇所にギプスを当てながら、骨折が早く直るよう、また骨折しないよう頑丈な骨を作る努力(食事療法ですな)も必要だということです。これなしに「折れてはギプス」を繰り返していては、いつかは歩けなくなってしまいます。